インド仏教界最高指導者と呼ばれる佐々井秀嶺師(87歳 ※写真中央)が6月10日、当山へご参拝されました。
佐々井師は、岡山県新見市出身。長じて東京の高尾山薬王院にて得度、ご出家された後、タイ国へ仏教留学。昭和42年(1967)にインドへと渡られますが、ある日の夜に大乗仏教の祖である龍樹菩薩より「汝速やかに南天竜宮城へ行け」という夢告を受けます。以降、その「南天竜宮城」の場所であると言われるインド中央部ナグプール市を拠点に、インド初代法務大臣で仏教徒であったB.R.アンベードカル氏の遺教を継承して、インド民衆のために半世紀にわたって身を捧げられてきました。特にヒンドゥーカーストによって触れることも見ることも汚らわしいと差別される人々を仏教へと改宗し、カーストから解放させようとする師の活動は、現在1憶とも2憶とも言われる仏教徒を新たに誕生させており、まさに偉業と言うべきところです。
佐々井師は、長年にわたって師への支援を行ってきた当山とのご縁から、44年ぶりに帰国を果たされた平成21年(2009)長泉寺開山500周年記念大法会をきっかけに来日時には必ずお立ちより下さるようになっておりましたが、コロナの影響で今回は4年ぶりの来日、併せて当山ヘのご参拝となりました。
当日は、ナグプール市で石刻された「必生不動明王」の御尊前で護摩供養法会を行った後、佐々井師の支援者や相談者らが日本全国から訪れ、それぞれが本堂にて師にご面会をされました。師はお一人お一人のお話に耳を傾け、特にはともに涙を流しながら、我々人間の進むべき道を説かれました。
佐々井師に対する支援活動は、平成26年(2014)に発足した南天会が中心となって行っております。皆様にもぜひご関心をいただければ幸いです。