戦後の困窮から復興を目指していた昭和30年代、数年間にわたって当山で過ごしたことがある某氏がこの度、当山本堂で用いるための鏧子を奉納下さいました。ついては10月16日、氏のご家族、ご親族にもご参集いただき、本堂にて奉納の儀を奉修。新たな素晴らしい鐘の音が堂内に響く中、本尊薬師如来にご法楽を捧げました。
法会後、ご高齢のご本人に代わって娘様がご挨拶をされたのですが、「母はもう年老いたわけですが、長泉寺で過ごしていた若いときのことを今でもよく語るのです。きっと人生で一番楽しかったと言って良いぐらい素晴らしい思い出がたくさんあるのだと思います。その母の想いをなんとか長泉寺にも役立つ形で残せないかとずっと思っていたので、今日は本当にうれしい。」と涙ながらにおっしゃっていました。当山としましては、今後末永く、大切に使わせていただく所存です。ご本人をはじめ、ご家族、関係者の皆様には、心より御礼申し上げる次第です。
なお、同鏧子は富山県の高岡製、三尺三段上りという特注で、その響きはまさに絶品です。皆様にもぜひお聞きいただければと思っております。