まさか岡山が・・・、と思われた方も多かったと思いますが、7月6日から7日にかけて、岡山県倉敷市真備町をはじめ西日本各地が「西日本豪雨」と呼ばれる荒天に襲われました。
亡くなられた御霊の菩提を祈り、被災された多くの方々には衷心よりお見舞いを申し上げる次第です。
当山では、この災害に対して下記の対応を行っております。もしご賛同いただけるようであれば、長泉寺ボランティア基金会へご協力をお願いします。
1、現地調査
7月9日、わたしは倉敷市真備町内で被災した真言宗御室派寺院へお見舞いに行くとともに、真備町内の状況を調査。以降、継続的に現地に入り、主に避難所を中心に状況把握と必要な対応にあたっています。
2、マッサージサービス
倉敷市真備町で被災された方々は、日中は炎天下の中家屋の片づけという重労働にあたり、夜は避難所となっている学校の体育館や教室といった固い床の上で寝ておられ(当時)、身体の疲れが相当大きいことから、真備町内避難所で被災者の方々の身体の疲れをほぐす「マッサージ」を実施することにしました。当山役僧の中村宥海がマッサージ有資格者であり、彼と認定特定非営利活動法人AMDA(http://amda.or.jp/2018westjapanflood.html)が連携し、7月11日から7月30日までほぼ毎日、無料マッサージサービスを実施しました(これまでに150名以上を施術)。
マッサージを通じて被災者の方々と密に関わり、支援ニーズが増えていく中で、友人の弁護士さんに現地に入っていただき、被災者向けの無料法律相談所を開設したり、AMDA側でも鍼灸治療を始める(8月15日までを予定)など、活動の幅を広げています。
3、野菜料理プロジェクト
現在でもそうなのですが、倉敷市における避難所の食事は、行政が提供するお弁当とパン、そして民間の炊き出しボランティアによるものです。しかしそのお弁当は、おにぎりと揚げ物、ウインナーという具合のものがほとんどで、被災者の健康を鑑みたものとは到底言えません。本来、被災者のいのちを守る食事は、災害から2週間、3週間と経過した時点においては特に、当該自治体の責任において提供されなければならないものと考えますが、現実には数さえ足りていない状況で、不足分はパン、そして民間の炊き出しボランティアに依存している状態です。炎天下において避難所を奔走される炊き出しボランティアの皆様には本当に頭が下がる思いの一方で、しかし炊き出しは、炊き出しが故に、どうしても提供しやすい炭水化物中心のメニューが多くなってしまいます。若い方や元気な方はそれでも良いのですが、炭水化物ばかりの食事は高齢者や成人病を患っている方にとっては負担も結構かかってしまいます。
2016年4月に起こった熊本大分地震では、震災による直接の死者が50名に対し、その後一年間で亡くなった「震災関連死」者は200名を超えています。そのほとんどが既往症の再発で、特に呼吸器系と循環器系の疾患が多く、つまり避難生活の中でのバランスの悪い食事が原因だと思われます。今回、その教訓を活かすことができれば、被災者救援になるだけでなく、熊本大分地震で亡くなられた多くの方々への供養にもなるとの考えから、「関連死を出さない」という目標を立て、呼吸器系・循環器系疾患の予防に有効な野菜料理の提供を決めました。
7月31日、当山接待講の奥様方とボランティアの方々15名が当山に集まり、真備町内避難所における夕食の「副菜」として、700個の「ヘルシー野菜カップ」を調理しました。暑い時期の野菜料理は食中毒の危険性があり、多くの団体が消極的になりがちです。しかし、だからといってそれを回避しているだけでは上記のようなことになってしまいますので、調理スタッフにはマスク、衛生帽子、手袋など完全防備をお願いし、調理部屋の温度管理も十分に注意を払いながら、絶対に食中毒は出さないという決意のもと、さながら「工場」と化した長泉寺でありました。現地での配膳では多くの被災者の方々に喜んでいただき、中には「久しぶりの野菜じゃ」と涙ぐむ高齢の方もいらっしゃいました。当プロジェクトは、AMDAと連携している「RNN人道援助宗教NGOネットワーク」(委員長・天台宗永宗幸信師 http://www.rnn.jp/)として行うもので、特に「継続性」が大切という観点から、8月中は主としてRNN事務局の黒住教さんが週3回というペースで取り組んで下さり、そのうち当山も何度か担当します。どうぞご協力下さい。
4、活動へのカンパ
上記の活動は、「長泉寺ボランティア基金会」により集められた浄財をもとに行われています。ご賛同いただける方は、長泉寺寺務所前に設置されている募金箱まで、御志をお願いします。