本堂「瑠璃光殿」修繕落慶

1月8日、悲願であった当山本堂「瑠璃光殿」の修繕落慶式を晴れて開催することが出来ました。ひとえに、本尊薬師如来の功徳のもとにご協力賜りました檀信徒、地域、その他大勢のご縁ある皆様のおかげでございます。

心より御礼申し上げます。

当日は天候にも恵まれ、本堂に入りきれない多くのご参拝のもと(お入りいただけなかった方々には大変申し訳ありませんでした)、本尊脇侍遷座入仏開眼法とともに、皆さまのご健康とご多幸を祈願する大般若法会を奉修いたしました。

今後この本堂が、檀信徒、地域の方々にとっての心の拠り所として、祈りや癒しの空間として、学びや憩いの場として、その他にも様々に活躍してくれることと思いますし、そのようになるために私個人もより一層の精進をしていく所存です。

この間特に、檀信徒を代表する総代皆様らと修繕奉讃会を組織し、事業運営を行う一つのチームとして大いに機能し得たことを嬉しく、そして幸せに感じています。頼り甲斐のある、豊かな人々に囲まれ、だからこその「私」が充実し、さらにその私が励まされ頑張れることで、まわりからの信頼や笑顔も増えていくという、まさに供に養いあう関係、「相互供養」を実感することができました。

檀信徒皆様からは、当方の想定を大きく上回る奉讃ご寄付を頂戴し、また、何一つ苦言やお叱りの言葉をいただくことなく、むしろ励ましや応援のお声をたくさん頂戴し、住職として感無量の思いです。社会も仏教界も様々な困難を抱えてはおりますが、しっかりと働き(身)、丁寧に説明をし(口)、想いを持ち続けて(意)いれば、結果は即疾に顕れるという宗祖の言葉を深く胸にいたす次第です。

この経験と実践がまた明日を創り、長泉寺、檀信徒、地域、その他ご縁のある多くの方々が、さらに豊かに歩んでいけるだろうことに期待を大にしています。

仏法興隆  倍増法楽

薬師如来の瑠璃光輝く妙薬が皆様にゆき届きますように

乃至法界 平等利益

長泉寺

第二十七世住職 龍門 合掌三禮

第21回長泉寺寺子屋文化講座

11月20日、「長泉寺寺子屋文化講座vol.21」ということで、岡山県立記録資料館さんが企画中の「おかやま橋物語」にお邪魔させていただき、併せて「公文書管理」の現場を詳しく教えていただきました。
同館館長の定兼学先生や副参事の前田能成先生をはじめ、スタッフの皆様が総動員でご対応下さり、まことに充実した内容の講座だったと思います。ありがとうございました。
なお同館では、事前申請があればいつでも必要な公文書(岡山県政や文化資料)の閲覧が可能で、多くの方に利用してほしいとのことです。

今回も昭和20年9月の知事の引継ぎ書類を見させていただきましたが、戦後すぐの岡山がどのような問題を抱え、どう対応していたかをリアルに知ることができました。とても有意義なことだと思います。興味のある方はぜひご利用下さい。

西国三十三観音霊場の旅

長泉寺杖心会は11月18日、当山と同じ真言宗御室派の上興院様(玉柏)、法萬寺様(原)と共催で「西国三十三観音霊場の旅」の第一回目を実施しました。

今回は兵庫県の三ヶ寺、書寫山圓教寺、播州清水寺、一乗寺(いづれも天台宗)を参拝。季節柄、紅葉が美しく、人も多く賑わう中、心地の良いお参りができたと思います。お蔭様で51名もの方にご参加を賜りました。ご参加いただいた皆様には感謝を申し上げるとともに、次回も元気にお参りできますよう体調管理等にはお気をつけいただきますようお願いします。

ありがとうございました。

本堂修繕工事進捗状況(10月)

9月に入り、いよいよ本堂の耐震補強や内装に工程が移りました。

内陣と外陣の接合部分でもある虹梁(こうりょう)に、負荷がバランス悪くかかっていたため、虹梁の上部に太い梁をかませました。

外陣の四方の壁については、上の写真のような内部構造でしたが、

基礎部分から天井部分まで、建物全体を揺れから守る頑丈な筋交い(すじかい)を入れるとともに、壁部分全体に木材ボードをはめることで、その耐震性をあげました。

柱と柱の最下部をつなげる地長押(じなげし)も、回廊と建具の新調に合わせて、

 

新しくなりました。

 

内陣天井は、

 

みごと!な折上げ格天井(おりあげごうてんじょう)に変わりました。卓越した職人技には感心するばかりです。

 

享保年間に建てられていた先代の本堂の木材を再利用して作られていた床下部分は、

上写真のようにやや華奢な印象でしたが、

頑丈な木材で改修されました。

作業は今後、改修した耐震壁の塗装、内陣須弥壇の改修、床の仕上げ、電気・ガス工事等々に移ります。

 

 

 

本堂修繕工事進捗状況(8月)

前回(6/18)に続いて、当山本堂修繕工事の進捗状況をご報告します。

本堂外陣部分の大屋根に新しい瓦が葺かれ、仮設屋根が撤去されて以降、さらに工事は進んでいます。

ご覧のように6月中頃の段階では、古い状態で残されたままだった内陣屋根も、

7月に内部構造、垂木、野地板が修繕され、

瓦も新しく葺き替えられました。

正面部分は、6月の時点ではご覧のように瓦が葺かれただけの状態でしたが、

8月に入り、棟の工事に入り、

現在(8/30)の時点で、主棟(屋根の最も高い部分)、下り棟、さらには、

隅棟も葺かれました。

破風板も欅材を用いた立派なものに替わっており、全体の見た目は一新しました。

そして8月中旬から、いよいよ本堂壁(耐震化)、内陣天井、濡れ縁等の改修作業にも取り掛かっております。

内陣天井は格天井に替わるため、一旦すべて撤去し、今日(8/30)、来年正月に行う修繕落慶法要に向けて「興隆仏法、天下泰平、諸人快楽」を祈願する棟札が据え付けられました。

以上、ここ2ヵ月ほどの修繕工事の進捗状況の報告でした。

おせがき行 河野太通御老師に謁見

長泉寺杖心会は、毎年恒例の「おせがき行」を開催し、兵庫県姫路市の龍門寺(臨済宗妙心寺派)に参拝しました(参加者35名)。


龍門寺(りょうもんじ)は、臨済宗妙心寺派の元管長で、全日本仏教会の元会長をお勤めになられた河野太通御老師が住職を勤められるお寺です。「不生禅」を説かれたことでも有名な盤珪永琢国師の根本道場として寛文元年(1661)に創建された古刹です。

http://www.ryomonji.jp/index.html

 

今回、特別に河野太通御老師が直々にご挨拶とご法話を下さるとともに、参拝記念の写真撮影までご一緒下さり、参加者一同感激いたしました。

その後、杖心会一向は、揖保乃糸そうめんの里で昼食、ヤマサ蒲鉾株式会社で竹輪作り体験、書写の里美術工芸館見学、灘菊酒造見学を行いました。

ご参加、ご協力いただきました皆様には、厚く御礼申し上げます。

西日本豪雨災害への対応報告と、ご協力のお願い

まさか岡山が・・・、と思われた方も多かったと思いますが、7月6日から7日にかけて、岡山県倉敷市真備町をはじめ西日本各地が「西日本豪雨」と呼ばれる荒天に襲われました。

亡くなられた御霊の菩提を祈り、被災された多くの方々には衷心よりお見舞いを申し上げる次第です。

当山では、この災害に対して下記の対応を行っております。もしご賛同いただけるようであれば、長泉寺ボランティア基金会へご協力をお願いします。

 

1、現地調査

7月9日、わたしは倉敷市真備町内で被災した真言宗御室派寺院へお見舞いに行くとともに、真備町内の状況を調査。以降、継続的に現地に入り、主に避難所を中心に状況把握と必要な対応にあたっています。

 

2、マッサージサービス

倉敷市真備町で被災された方々は、日中は炎天下の中家屋の片づけという重労働にあたり、夜は避難所となっている学校の体育館や教室といった固い床の上で寝ておられ(当時)、身体の疲れが相当大きいことから、真備町内避難所で被災者の方々の身体の疲れをほぐす「マッサージ」を実施することにしました。当山役僧の中村宥海がマッサージ有資格者であり、彼と認定特定非営利活動法人AMDA(http://amda.or.jp/2018westjapanflood.html)が連携し、7月11日から7月30日までほぼ毎日、無料マッサージサービスを実施しました(これまでに150名以上を施術)。

マッサージを通じて被災者の方々と密に関わり、支援ニーズが増えていく中で、友人の弁護士さんに現地に入っていただき、被災者向けの無料法律相談所を開設したり、AMDA側でも鍼灸治療を始める(8月15日までを予定)など、活動の幅を広げています。

 

3、野菜料理プロジェクト

現在でもそうなのですが、倉敷市における避難所の食事は、行政が提供するお弁当とパン、そして民間の炊き出しボランティアによるものです。しかしそのお弁当は、おにぎりと揚げ物、ウインナーという具合のものがほとんどで、被災者の健康を鑑みたものとは到底言えません。本来、被災者のいのちを守る食事は、災害から2週間、3週間と経過した時点においては特に、当該自治体の責任において提供されなければならないものと考えますが、現実には数さえ足りていない状況で、不足分はパン、そして民間の炊き出しボランティアに依存している状態です。炎天下において避難所を奔走される炊き出しボランティアの皆様には本当に頭が下がる思いの一方で、しかし炊き出しは、炊き出しが故に、どうしても提供しやすい炭水化物中心のメニューが多くなってしまいます。若い方や元気な方はそれでも良いのですが、炭水化物ばかりの食事は高齢者や成人病を患っている方にとっては負担も結構かかってしまいます。

2016年4月に起こった熊本大分地震では、震災による直接の死者が50名に対し、その後一年間で亡くなった「震災関連死」者は200名を超えています。そのほとんどが既往症の再発で、特に呼吸器系と循環器系の疾患が多く、つまり避難生活の中でのバランスの悪い食事が原因だと思われます。今回、その教訓を活かすことができれば、被災者救援になるだけでなく、熊本大分地震で亡くなられた多くの方々への供養にもなるとの考えから、「関連死を出さない」という目標を立て、呼吸器系・循環器系疾患の予防に有効な野菜料理の提供を決めました。

7月31日、当山接待講の奥様方とボランティアの方々15名が当山に集まり、真備町内避難所における夕食の「副菜」として、700個の「ヘルシー野菜カップ」を調理しました。暑い時期の野菜料理は食中毒の危険性があり、多くの団体が消極的になりがちです。しかし、だからといってそれを回避しているだけでは上記のようなことになってしまいますので、調理スタッフにはマスク、衛生帽子、手袋など完全防備をお願いし、調理部屋の温度管理も十分に注意を払いながら、絶対に食中毒は出さないという決意のもと、さながら「工場」と化した長泉寺でありました。現地での配膳では多くの被災者の方々に喜んでいただき、中には「久しぶりの野菜じゃ」と涙ぐむ高齢の方もいらっしゃいました。当プロジェクトは、AMDAと連携している「RNN人道援助宗教NGOネットワーク」(委員長・天台宗永宗幸信師 http://www.rnn.jp/)として行うもので、特に「継続性」が大切という観点から、8月中は主としてRNN事務局の黒住教さんが週3回というペースで取り組んで下さり、そのうち当山も何度か担当します。どうぞご協力下さい。

 

4、活動へのカンパ

上記の活動は、「長泉寺ボランティア基金会」により集められた浄財をもとに行われています。ご賛同いただける方は、長泉寺寺務所前に設置されている募金箱まで、御志をお願いします。

 

本堂修繕工事進捗状況(6月)

今朝方(6/18)、大阪を震源とする大きな地震が発生しました。被害がないことを切に願うとともに、大阪とその近辺にお住まいの方々の安全を心より祈念する次第です。

さて、先月に引き続き、写真を中心に本堂修繕工事の近況を報告します。

5月末の段階で上の写真のような状態だった本堂屋根ですが、

6月に入り、このように瓦を葺き始め、

北側内陣上の屋根や、主棟、下り棟等を残し、約1週間ほどで大方の部分を葺き終わりました。

檀信徒皆さまよりいただいた「奉納瓦」もすべて葺かせていただきましたが、住職であるわたしも、その内の何枚かを自ら葺かせていただきました。

大方の瓦が葺き終わり、上の写真のような状態だった足場も、

6月15日には、仮設屋根が取れました。仮設屋根は、大きな台風が来ると飛んでしまうかもしれないリスクがありましたので、これでちょっと安心です。

仮設屋根が取れ、日の光があたるようになった新しい本堂は、とても明るくなった印象です。

今後は、破風板と懸魚の設置、本堂裏側の屋根修繕の工程へ進みます。

本堂修繕工事の進捗状況

ご案内の「長泉寺本堂修繕工事」進捗状況をご報告いたします。ここ3ヵ月間の変化については、やはり目で確認するのが一番わかりやすいと思いますので、写真を中心にご説明させていただきます。

工事のための仮屋根ができた時点(3月中旬)では、上の写真のような状態にありました本堂の屋根ですが、

3月末にはご覧の通り瓦をすべて降ろし、

4月の頭には野地板を撤去。

4月、5月は、その野地板および垂木の撤去のみならず、屋根を支える桔木(はねぎ)等の構造強化作業を含む、屋根の修繕工事を実施。

本尊大祭が終わった5月9日には、内陣仏具一式を搬出。

同じく13日には、本尊脇侍仏像を客殿床間に遷座。

5月20日ごろには、屋根内部の構造強化と新しい垂木の設置が終わり、

すぐさま新しい野地板を葺く作業に入りました。

5月25日ごろには、その野地板設置作業も終わり、

同じく28日(当ブログ更新日)より、雨漏り除けのシートの設置作業に取り掛かっております。

それにしても、宮大工さんの卓越した技術には感心するばかりです。

わたしは作業を見守ることしかできないのですが、業者さん、宮大工さんとこまめにコミュニケーションを取ることを大切にしながら、工事の無事を日々祈り、新しくなる本堂の使用方法や荘厳、落慶法会等について、頭を巡らせています。

工事状況については、引き続き随時お知らせしてまいります。

よろしくお願いします。

第18回長泉寺寺子屋文化講座

5月17日、「第18回長泉寺寺子屋文化講座」を開講しました。

今回は、「岡山城の城郭配置をめぐる」というテーマのもと、元岡山市教育委員会文化財専門監で現在は岡山城天守閣展示物取扱専門員の出宮徳尚先生にフィールドワークの講師をお勤めいただき、岡山市街地を約6キロほど歩きながら、石垣や堀など城郭の形跡を追いました(参加者32名)。

なかなか暑い一日となり、歩くのも大変でしたが、岡山の歴史に興味のある参加者の皆様にとっては大満足の内容だったと思います。

長泉寺寺子屋文化講座は、二ヵ月に一度開催しています。ご案内の通り、ただいま本堂が改修工事中のため、境内を出てフィールドワーク形式にて開催しています。

次回もご期待ください。