半田山墓地の改善について、岡山市仏教会が岡山市に要望書を提出いたしました。

三日前のこと(3/28)になりますが、半田山墓地が管理者不在という問題によってひじょうに不安定な状態になっていること、特に同墓地中央を縦断する墓参道の著しい崩壊状態とその危険性について、大森雅夫岡山市長へこれの是正に取り組んでいただくよう、岡山市仏教会として要望書を提出いたしました(私は担当理事として当問題に取り組んでいます)。

大森市長からは、「同墓地は“財産区”ということで市としても扱いが難しいが、しかしネガティブな対応だけで終わってはいけない。市として出来る限り前向きに取り組んでいく」と、有り難い言葉をいただきました。

半田山植物園の西側に位置する半田山墓地(岡山市北区津島東三丁目)は、墓塔の数で言えばおそらく数万塔はあるだろう巨大な墓地で、多くの岡山市民が使用しています。

いつの時代にできた墓地なのかは定かではありませんが、明治期に行われた岡山市による市街地整備事業の中で、市の中心部にあった多くの墓塔類を移転する際、それらを同墓地へ持ってきたという記録が岡山市議会の議事録に残っています(東山墓地も同様です)。

しかし同墓地は「市営」という形態はとらず、使用者自身が共同で管理する、いわゆる「村墓地」と呼ばれる運営体制を維持しました。

市町村合併が行われ自治体が整備されていく過程で、様々な土地が民間管理か行政管理かの仕分けがはかられてきたわけですが、しかし半田山墓地のような特殊な管理運営が行われている公の施設等を「財産区」として扱うことにして、旧来の使用者の権限を守ってきたわけです。

しかしながら、ここ数年は半田山墓地の管理者が不在で、使用者による自治が完全に滞ってしまっています。壊れた墓参道を直そうにも、使用者皆さんの承認を得ることが不可能な(名簿さえない)状況であり、結局そのまま放置されるケースがほとんどです。さらには、もともと水捌けが悪いことや、近年多発する大雨の影響等で一部ではすでに崩落も発生しているほか、雨が降れば墓参道がプールのような水たまりとなり、その水が引くのにも数日を要するなど、困った状態となっています。特に最もやっかいなのは、同墓地中央を縦断するメインの墓参道が、コンクリート舗装が壊れガタガタ、かつ、雨が土を流しボコボコという有り様で、多くの方が使用される墓参道であるにも関わらず、その危険性は長らく放置されたまま、そして今後もその修繕の見込みはないという状況です。

このような状況をなんとかするために本来一番良いのは、使用者の皆さん自身が署名を集めるなどの意見集約を行い、それを市に対して要望していくことなのですが、しかし数千におよぶだろう墓地の所有者が全く把握できていない現状においてはそれも不可能です。

よって、この度、岡山市仏教会としてこのような動きを取る運びとなりました。

自治体や町内会、または特定の業者が管理しているなど、その管理責任の所在が明確な霊園は良いのですが、おそらく半田山墓地以外にも多くの墓地で同様の問題が潜在しているでしょうし、すでに発生しているところも少なくないと思います。その意味では、今回の岡山市仏教会の動きが半田山墓地の問題だけに限らず、広く波及してくれればいいなと考えています。

当山光研名誉住職が「権大僧正」に昇補賜りました。

本日(3/29)、総本山仁和寺門跡瀬川大秀大僧正猊下より、当山名誉住職が「権大僧正」の任を賜りました。

ひとえに三宝のおかげでございます。

名誉住職曰く、「これからは”道楽”に生きます。もちろん遊び惚けるということではありません。道とは即ち仏道。そしてそれを大いに楽しみたいという所存です。」

檀信徒皆様には、今後とも引き続きのお力添えを賜りますよう、よろしくお願いします。

寺子屋文化講座vol.23

3月5日、「長泉寺寺子屋文化講座vol.23」を開催し、就実学園の石田省三先生に室戸台風についてお話をいただきました。

当時の写真を数多くご紹介くださるとともに、室戸台風を後世に伝える「浸水深プレート」(岡山城や後楽園など、現在でも市内各所に点在)の調査記録を通じて、その被害状況はもとより、時間の経過による「風化」に対しての取り組みについて詳しくご説明いただきました。

ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。次回は5月の開催を予定しております。どうぞよろしくお願いします。