4/21弘法大師尊像修復開眼法会

4月21日弘法大師ご縁日、楽陽廟での合同追悼法会「春秋祭」を奉修するとともに、当山に伝わる弘法大師像の修復開眼法会を行いました。

当像は明暦元年、当山第4世山主審教阿闍梨が発願し、岡山の仏師片岡文右衛門が彫った尊像です。以来364年、当山で祀られ、檀信徒先祖代々が拝み手を合わせてきたわけですが、修復前は相当の経年の傷みがありました。いつのことかはわかりませんが、一度上塗りの修繕が施されていることもあり、この度の修復では一度すべての膠を取って解体、そこから再度組み直し、色付けも一からやり直すという作業を行いました。

その際には、尊像頭部の中より審教阿闍梨が書かれた般若理趣経の写経が納めれていることがわかり、当時の人々の願いにも触れることができました。

この度、皆様のおかげ様を持ちまして、見事に美しい御姿でお戻りなられ、本日晴れて開眼法会を迎えたという運びです。

皆様にはぜひ、毎月21日9時からの大師縁日法会にご参拝いただき、新たに修復されたお大師さまの御姿を目の当たりにしていただければ幸いです。

長泉寺寺子屋文化講座vol.32のご報告

新型コロナ禍によりしばらく休講しておりました「寺子屋文化講座」を4月19日、講師に森熊男先生(岡大名誉教授・閑谷学校顕彰保存会評議員)をお招きし、「池田光政と熊沢蕃山~岡山藩初期の学風~」というテーマで開催しました。

なお、新型コロナの第4波が今月に入ってから拡大している状況もありましたので、定員を事前予約のみ先着25名と限定させていただき、参加者皆様には検温、マスク着用、消毒など感染防止策の徹底もお願いし、皆様のご協力あってこその開催となりました。

講師の”クマ先生”こと森熊男先生は、大学での教鞭のほか著書や論文の執筆、各種講演など、岡山の教育界に多大なる功績を残されている方であり、特に”儒学”の大家としてご存じの方も多いかと思います。先般には、山陽新聞社より『クマ先生と読む論語』を出版されたばかりで、新聞の紙面でもよくお目にかかる御方ですね。

さて、そんな森熊男先生の今回の講座は、岡山の教育のスタートとも言える”光政と蕃山による岡山藩初期の学風”についてのお話でした。歴史的な時間の推移に沿って、岡山藩における人づくり思想(朱子学を中心に)、また光政公と蕃山の出逢いから別れ、そして津田永忠を含めた三人だからこそ成し得た奇跡について、まるでクマ先生の身体にこの三人が宿っているかのような、そんな気持ちのこもったご講演となりました。ありがとうございました。