本堂修繕工事進捗状況(8月)

前回(6/18)に続いて、当山本堂修繕工事の進捗状況をご報告します。

本堂外陣部分の大屋根に新しい瓦が葺かれ、仮設屋根が撤去されて以降、さらに工事は進んでいます。

ご覧のように6月中頃の段階では、古い状態で残されたままだった内陣屋根も、

7月に内部構造、垂木、野地板が修繕され、

瓦も新しく葺き替えられました。

正面部分は、6月の時点ではご覧のように瓦が葺かれただけの状態でしたが、

8月に入り、棟の工事に入り、

現在(8/30)の時点で、主棟(屋根の最も高い部分)、下り棟、さらには、

隅棟も葺かれました。

破風板も欅材を用いた立派なものに替わっており、全体の見た目は一新しました。

そして8月中旬から、いよいよ本堂壁(耐震化)、内陣天井、濡れ縁等の改修作業にも取り掛かっております。

内陣天井は格天井に替わるため、一旦すべて撤去し、今日(8/30)、来年正月に行う修繕落慶法要に向けて「興隆仏法、天下泰平、諸人快楽」を祈願する棟札が据え付けられました。

以上、ここ2ヵ月ほどの修繕工事の進捗状況の報告でした。

おせがき行 河野太通御老師に謁見

長泉寺杖心会は、毎年恒例の「おせがき行」を開催し、兵庫県姫路市の龍門寺(臨済宗妙心寺派)に参拝しました(参加者35名)。


龍門寺(りょうもんじ)は、臨済宗妙心寺派の元管長で、全日本仏教会の元会長をお勤めになられた河野太通御老師が住職を勤められるお寺です。「不生禅」を説かれたことでも有名な盤珪永琢国師の根本道場として寛文元年(1661)に創建された古刹です。

http://www.ryomonji.jp/index.html

 

今回、特別に河野太通御老師が直々にご挨拶とご法話を下さるとともに、参拝記念の写真撮影までご一緒下さり、参加者一同感激いたしました。

その後、杖心会一向は、揖保乃糸そうめんの里で昼食、ヤマサ蒲鉾株式会社で竹輪作り体験、書写の里美術工芸館見学、灘菊酒造見学を行いました。

ご参加、ご協力いただきました皆様には、厚く御礼申し上げます。

西日本豪雨災害への対応報告と、ご協力のお願い

まさか岡山が・・・、と思われた方も多かったと思いますが、7月6日から7日にかけて、岡山県倉敷市真備町をはじめ西日本各地が「西日本豪雨」と呼ばれる荒天に襲われました。

亡くなられた御霊の菩提を祈り、被災された多くの方々には衷心よりお見舞いを申し上げる次第です。

当山では、この災害に対して下記の対応を行っております。もしご賛同いただけるようであれば、長泉寺ボランティア基金会へご協力をお願いします。

 

1、現地調査

7月9日、わたしは倉敷市真備町内で被災した真言宗御室派寺院へお見舞いに行くとともに、真備町内の状況を調査。以降、継続的に現地に入り、主に避難所を中心に状況把握と必要な対応にあたっています。

 

2、マッサージサービス

倉敷市真備町で被災された方々は、日中は炎天下の中家屋の片づけという重労働にあたり、夜は避難所となっている学校の体育館や教室といった固い床の上で寝ておられ(当時)、身体の疲れが相当大きいことから、真備町内避難所で被災者の方々の身体の疲れをほぐす「マッサージ」を実施することにしました。当山役僧の中村宥海がマッサージ有資格者であり、彼と認定特定非営利活動法人AMDA(http://amda.or.jp/2018westjapanflood.html)が連携し、7月11日から7月30日までほぼ毎日、無料マッサージサービスを実施しました(これまでに150名以上を施術)。

マッサージを通じて被災者の方々と密に関わり、支援ニーズが増えていく中で、友人の弁護士さんに現地に入っていただき、被災者向けの無料法律相談所を開設したり、AMDA側でも鍼灸治療を始める(8月15日までを予定)など、活動の幅を広げています。

 

3、野菜料理プロジェクト

現在でもそうなのですが、倉敷市における避難所の食事は、行政が提供するお弁当とパン、そして民間の炊き出しボランティアによるものです。しかしそのお弁当は、おにぎりと揚げ物、ウインナーという具合のものがほとんどで、被災者の健康を鑑みたものとは到底言えません。本来、被災者のいのちを守る食事は、災害から2週間、3週間と経過した時点においては特に、当該自治体の責任において提供されなければならないものと考えますが、現実には数さえ足りていない状況で、不足分はパン、そして民間の炊き出しボランティアに依存している状態です。炎天下において避難所を奔走される炊き出しボランティアの皆様には本当に頭が下がる思いの一方で、しかし炊き出しは、炊き出しが故に、どうしても提供しやすい炭水化物中心のメニューが多くなってしまいます。若い方や元気な方はそれでも良いのですが、炭水化物ばかりの食事は高齢者や成人病を患っている方にとっては負担も結構かかってしまいます。

2016年4月に起こった熊本大分地震では、震災による直接の死者が50名に対し、その後一年間で亡くなった「震災関連死」者は200名を超えています。そのほとんどが既往症の再発で、特に呼吸器系と循環器系の疾患が多く、つまり避難生活の中でのバランスの悪い食事が原因だと思われます。今回、その教訓を活かすことができれば、被災者救援になるだけでなく、熊本大分地震で亡くなられた多くの方々への供養にもなるとの考えから、「関連死を出さない」という目標を立て、呼吸器系・循環器系疾患の予防に有効な野菜料理の提供を決めました。

7月31日、当山接待講の奥様方とボランティアの方々15名が当山に集まり、真備町内避難所における夕食の「副菜」として、700個の「ヘルシー野菜カップ」を調理しました。暑い時期の野菜料理は食中毒の危険性があり、多くの団体が消極的になりがちです。しかし、だからといってそれを回避しているだけでは上記のようなことになってしまいますので、調理スタッフにはマスク、衛生帽子、手袋など完全防備をお願いし、調理部屋の温度管理も十分に注意を払いながら、絶対に食中毒は出さないという決意のもと、さながら「工場」と化した長泉寺でありました。現地での配膳では多くの被災者の方々に喜んでいただき、中には「久しぶりの野菜じゃ」と涙ぐむ高齢の方もいらっしゃいました。当プロジェクトは、AMDAと連携している「RNN人道援助宗教NGOネットワーク」(委員長・天台宗永宗幸信師 http://www.rnn.jp/)として行うもので、特に「継続性」が大切という観点から、8月中は主としてRNN事務局の黒住教さんが週3回というペースで取り組んで下さり、そのうち当山も何度か担当します。どうぞご協力下さい。

 

4、活動へのカンパ

上記の活動は、「長泉寺ボランティア基金会」により集められた浄財をもとに行われています。ご賛同いただける方は、長泉寺寺務所前に設置されている募金箱まで、御志をお願いします。