10月に開講した「寺子屋文化講座」

去る10月は、寺子屋文化講座を2座、開講しました。

ひとつは、本来8月に予定していて延期となっていた「岡山の河川」について。講師には国交省岡山河川事務所・流域治水課長の松井さんにお越しいただき、主に旭川、百間川における洪水対策の歴史、また平成30年7月に発生した西日本豪雨以降、大きな課題となっていた高梁川と小田川の合流地点付け替え工事、さらには近年の気候変動を踏まえた我々一般にも取り組める流域治水対策について詳しくお話をいただきました。

もうひとつは、方谷研究会会長で岡山県史編纂委員会専門委員を勤められた朝森要先生を講師にお招きし、岡山に生まれ奈良・平安初期に大活躍した和気清麻呂について、その後の歴史に大きな影響を与えた「宇佐八幡宮神託事件」を中心に詳しくお話をいただきました。

いずれの会にも多くのご参加をいただき、盛会となりました。ありがとうございました。

次回は12月18日(月)、講師に日本酒ライターの市田真紀さんをお招きし開講します。お楽しみに。

本堂鏧子奉納

戦後の困窮から復興を目指していた昭和30年代、数年間にわたって当山で過ごしたことがある某氏がこの度、当山本堂で用いるための鏧子を奉納下さいました。ついては10月16日、氏のご家族、ご親族にもご参集いただき、本堂にて奉納の儀を奉修。新たな素晴らしい鐘の音が堂内に響く中、本尊薬師如来にご法楽を捧げました。

法会後、ご高齢のご本人に代わって娘様がご挨拶をされたのですが、「母はもう年老いたわけですが、長泉寺で過ごしていた若いときのことを今でもよく語るのです。きっと人生で一番楽しかったと言って良いぐらい素晴らしい思い出がたくさんあるのだと思います。その母の想いをなんとか長泉寺にも役立つ形で残せないかとずっと思っていたので、今日は本当にうれしい。」と涙ながらにおっしゃっていました。当山としましては、今後末永く、大切に使わせていただく所存です。ご本人をはじめ、ご家族、関係者の皆様には、心より御礼申し上げる次第です。

なお、同鏧子は富山県の高岡製、三尺三段上りという特注で、その響きはまさに絶品です。皆様にもぜひお聞きいただければと思っております。

杖心会「青森 函館 津軽海峡の旅」

長泉寺杖心会は10月8日から10日の三日間、「青森 函館 津軽海峡の旅」と題しまして青龍寺様(青森市)、恐山菩提寺様(むつ市)を参拝しました。

全仏山青龍寺様は、昭和22年に高野山青森別院として織田隆弘師が創建された寺院で、座像としては日本一の大きさを誇る大日如来像「昭和大仏」(昭和59年開眼)を祀られていることで有名です。開山織田隆弘師はさらに、平成4年に金堂、平成8年に日本で四番目の高さを誇る五重塔を建立され、見事壮観なる伽藍が配されております。それらすべて、密教興隆、世界平和といった同師の大願に対して、全国にいらっしゃる檀信徒方々がお力を寄せて建立されたものであり、その偉業にはひたすらに感嘆するほかありません。この度、有難いことに同山の副住職であられる織田隆全師とご縁をいただく機会がございまして、杖心会としてお参りをさせていただいた次第です。

昭和大仏 青龍寺(青森市) (showa-daibutu.com)

杖心会一行は、青龍寺様に到着後まずは金堂でご法楽をあげさせていただきまして、そこで同山現住であられる織田隆玄師にご挨拶を賜りました。その後、副住職様よりご丁寧なるご説明をいただきながら、五重塔、および昭和大仏を内拝させていただきました。お忙しい中ご対応いただきました青龍寺様には心より感謝申し上げる次第です。

そしてこの日は、青龍寺様を後にしてバスで下北半島を北上し、津軽海峡が目の前に広がる下風呂温泉に宿泊。夜には青森の海の幸をいただきながら、参加者皆さまと懇親を深める楽しい時間を過ごしました。

翌日は、朝一番で恐山菩提寺様を参拝。個人的に以前より同山院代(住職)の南直哉師に一度お会いしたいと考えておりまして、事前に連絡も取り、万全を期しておうかがいした次第です。到着後、すぐに堂内へご案内いただき、大祭期間中だったことから本堂ではなく薬師堂にて待機。まもなく南師が御入堂され、私とご挨拶を交わした後、我ら一行に向けてお説法を一時間にもわたって賜りました。内容についてはここでは記せませんが、笑い、感動、学び、すべてが存分に含まれる大変素晴らしいものでした。ありがとうございました。

南直哉師のことをもっと知りたいという御方には、同師のブログを一度ご覧ください ⇒ 恐山あれこれ日記 (goo.ne.jp)

ご法話後、南師と記念写真を撮り、法話の御礼を申し上げまして、一行は境内を参拝。本堂前でご法楽をあげ、イタコさんの順番待ちに並ぶ長蛇の列を横目に見ながら、地獄谷から極楽浜というお決まりのコースを巡りました。

恐山菩提寺様の参拝の後は、本州の最北端であり鮪で有名な大間へ。一行は、お昼ごはんに感動的とも言える鮪丼を頂戴した後、函館へ渡るため大函丸に乗船。津軽海峡といえば石川さゆりさんが歌われた名曲『津軽海峡冬景色』が思い起こされるわけですが、この日は幸いにして阿久悠さんが書かれた歌詞に出てくるような海鳴り、強風は全然なく、まるで瀬戸内海の如くおだやかで、船酔いする方もゼロ。皆さん元気に函館へ到着することができたのでした。

函館ではその日、ホテルチェックインの後、1時間半ほどの自由時間を持ち、参加者皆さんには金森赤レンガ倉庫などを見学していただき、夜は函館駅前のお店で懇親会。北海道のご馳走を美味しくいただきました。さらにその後、タクシーで函館山に移動し、「日本三大夜景」の一つに数えられる函館の夜景を楽しみました。有難いことに天候に恵まれ、遠方までくっきりと見渡すことができました。

最終日は、函館朝市の自由散策、並びに五稜郭の観光をし、二泊三日とは思えぬ充実感を感じながら函館空港から帰路につきました。

ご参加いただきました皆様には心より御礼申し上げますとともに、定員のためご参加いただくことが叶いませんでした方々には大変申し訳ありませんでした。

引き続きどうか杖心会をよろしくお願いいたします。