寺子屋文化講座vol.33

10月28日、コロナ禍につき休講しておりました「長泉寺寺子屋文化講座vol.33」を開催しました。

今回は、講師に元NHKディレクターの村上裕康さんをお招きし、岡山市中区赤坂台に今もなお残るNHKラジオ岡山放送局舎のご紹介をはじめ、岡山の放送史についてお話をいただきました。

放送というものがどのようになされているかということについて、私たちは普段あまり意識することは少ないかと思いますが、私たちの暮らしの中にとても身近に存在するラジオやテレビ、その中でも特にローカル放送の歩みについて触れることのできる貴重な時間となりました。

令和3年「おせがき」 8/21

8月21日(土)、施餓鬼法会を行いました。

毎年恒例の「おせがき」こと施餓鬼法会は、バスを貸し切り、檀信徒皆様と一緒に日帰り旅行を兼ねて行っていますが、今年は昨年来の新型コロナウイルス感染症の流行を鑑み、また、当日は天候も不安定でしたので、当山本堂にて略施餓鬼法を奉修し、檀信徒各家精霊に回向を捧げました。

ご参列いただいた方には、事前にお申込みいただいた卒塔婆をご自身でお加持していただき、それぞれ精霊に回向していただきました。

施餓鬼(せがき)とは、今ある幸せを当たり前に思わず、その有難みを心にしっかりと留め置くための法会です(歴史や由緒は各自でお調べ下さい)。

私たちの生活は、衣食住すべてにおいて何かの犠牲の上に成り立っています。そのことを忘れてはいけないですし、国内外問わず、世界が食糧難、貧困の拡大に直面している現状を無視することもできません。そこで具体的に何をするかは様々にあるでしょうが、先ずは慈悲の精神を持って生きることが大切であり、それがまた、先祖への供養にもつながっていくのであろうと思います。

8/15「盂蘭盆会」と「平和の鐘」

8月15日、毎年恒例の檀信徒合同「盂蘭盆会総供養法会」を奉修しました。

ご縁ある檀信徒の方々にお参りいただき、各家精霊の菩提、先祖代々の増法楽を祈念いたしました。

また、正午からは岡山ユネスコ協会様主催の「第22回平和の鐘をならそう!」が境内で開催され、終戦の日に合わせて戦没者の供養、並びに戦争のない世界を願い、参加者で鐘をつきました。本堂での記念講演では、近現代史研究者の青木康嘉先生に満蒙開拓団についてのお話をしていただき、今もなお続く戦禍の苦しみに触れるとともに、清水ゆきさんによる平和の歌の奉納もあり、参加者皆で平和への祈りをあらたにしました。

長泉寺ボランティア基金会より岡山市に新型コロナ対策のための寄付を行いました

6月1日、長泉寺ボランティア基金会より岡山市へ、新型コロナワクチン接種の円滑な普及に役立てていただくため、100万円の寄付をさせていただきました。当日は、総代の丸山惣一さんと金田勉さんとで目録を市に持参し、岡山市保健福祉局感染症対策局長様にお渡ししました。

「長泉寺ボランティア基金会」は、仏教精神に基づく「善心の連鎖」、「人類共生の願い」をテーマに、長泉寺開山500周年記念事業のひとつとして平成16年に発足しました。寺務所前に常設している募金箱に檀信徒の皆さんや一般参拝者に募金をしてもらうほか、特定の災害救援ではお寺便り等を通じて勧募するなどして基金を集めております。

発足以来、RNN人道援助宗教NGOネットワーク(心ひとつに祈り動く RNN 人道援助宗教NGOネットワーク)の活動を中心に、主なものだけでも新潟中越地震、東日本大震災、熊本地震、西日本豪雨災害などの国内災害のほか、平成16年のスマトラ島沖地震、平成22年のハイチやチリでの地震、平成23年のニュージーランドやトルコ東部での地震などの国外災害、さらにはスリランカにおける孤児支援やネパール・ブータン難民キャンプ救援、ロヒンギャ難民支援なども行ってきました。

この度、新型コロナウイルス感染症によって困難な状況にある多くの方々にとって希望の光とも言っていい「ワクチン接種」がどうか円滑に普及して欲しいとの願いから、総代会で話し合い、100万円という金額を拠出することにしました。岡山市におけるコロナ対応費用の全体からすればごくわずかな額ではありますが、檀信徒の皆さんが少しずつ寄せて下さった浄財によって、医療現場の負担が少しでも軽減すること、また、そのことによって一人でも多くの命が救われること、そして一日でも早いコロナ克服、元気な岡山市が戻って来ることにつながればと願っております。

山陽新聞 令和3年6月4日(金)朝刊 全県版 掲載記事

檀信徒皆様にはどうか引き続き、長泉寺ボランティア基金会の活動へのご理解とご支援をいただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

追記

そもそも「募金」は、六波羅蜜のひとつである「布施」とも言えるものです。お寺や神社には「お賽銭箱」がありますが、賽銭の場合は自身の願いや希望を叶えるため、あるいはその返礼として入れることが一般的であり、そうだとすると賽銭は布施になりません。布施は「施すこと」ですから、対価や見返りを求めてはいけないですし、布施をすることそれ自体が大切な「修行」ということです。その意味では、お寺の賽銭箱とは別に「募金箱に浄財を入れる」というボランティア基金会の活動はまさに布施の実践であって、災害の多い現代にピッタリな仏道修行なのかもしれません。※お賽銭を否定しているわけではありません。人間は願うことでモチベーションを高めることができ、より良く生きていくにもつながります。あしからず。

点字版 仏前勤行次第 おかんき

当山ではこの度、視覚障がいのある方々でもご自宅の仏壇前で「おかんき」を唱えることができるよう、点字版の仏前勤行次第を作成しました。

令和3年5月18日 山陽新聞朝刊 全県版 

作成に至ったきっかけは、今年の1月と2月、立て続けに視覚障がいのある方の葬儀を勤めることになったことです。いずれの喪主様も全盲の方で、葬儀、初七日などで経本にそってお唱えする「おかんき(お看経)」がやりづらく、今後のことを考えると満中陰、初盆、一周忌、三回忌と回忌法要が続きますし、なにより普段ご自宅で「おかんき」を唱え、自らの読経を以って故人に供養を捧げていただきたいと、点字版の仏前勤行次第の必要性を感じました。

当初は、探せばどこかにあるどろうと思っていた点字版の経本ですが、真言宗の点字経本というものを調べても全く情報がなく、手に入れようがありません。だったら作るしかない、ということで、以前よりご縁のある谷口真吾さん(竹内昌彦先生をはじめ視覚障がいのある方々を長年にわたってご支援されている方です)に連絡をしたところ「それは素晴らしい!ぜひ作りましょう!」というご返事をいただき、とんとん拍子で作業も進み、あっという間にこの春、完成いたしました。

拝啓 竹内昌彦先生 (haikei-takeuchi.jp) ←竹内昌彦先生を応援するサイトです

作成にあたりましては、社会福祉法人岡山ライトハウス就労継続支援B型事業所ワークランド虹様において、視覚障がいのある方々ご自身が点訳や印刷、製本作業を行って下さいました。このご縁を大切に、今後も様々に関わっていきたいと考えているところです。

ワークランド虹の紹介 (olh-estate.com)

今後、全国の真言宗のお寺にこの点字経本が普及することを目指すとともに、真言宗だけでなく、仲間の他宗他教の皆さんへも輪を広げ、多様性の時代にふさわしい宗教活動のひとつとして頑張っていきたいと考えております。また、当経本が必要な方は当山へお問合せ下さい。

皆様には応援していただけると嬉しいです。

ニュース報道もしていただきましたのでご覧下さい

寺の住職が信仰のバリアフリーに取り組む…視覚障害者のための点字版の経本が完成【岡山・岡山市】 | OHK 岡山放送

「点字の経本」不自由なくお経を唱えたい願い叶える 岡山・北区の長泉寺 | KSBニュース | KSB瀬戸内海放送

令和3年 万灯万華供養「本尊大祭」

毎年恒例の万灯万華供養「本尊大祭」(5/5~5/8)は、新型コロナウイルス感染症の流行を鑑み、時間と規模を縮小した形で奉修いたしました。

檀信徒各家精霊に回向を捧げるため、本堂には多くの「灯」と「華」の供養を施し、開白(5/5)から三日三晩、ご開帳された本尊薬師如来の御宝前に計九座の理趣三昧法会を勤め、結願(5/8)にはYouTubeでもご活躍中の須磨寺小池陽人僧正よりご法話をオンラインで賜りました。

檀信徒各家精霊の頓証菩提、並びに御先祖代々の倍増法楽を至心に祈念申し上げる次第です。

4/21弘法大師尊像修復開眼法会

4月21日弘法大師ご縁日、楽陽廟での合同追悼法会「春秋祭」を奉修するとともに、当山に伝わる弘法大師像の修復開眼法会を行いました。

当像は明暦元年、当山第4世山主審教阿闍梨が発願し、岡山の仏師片岡文右衛門が彫った尊像です。以来364年、当山で祀られ、檀信徒先祖代々が拝み手を合わせてきたわけですが、修復前は相当の経年の傷みがありました。いつのことかはわかりませんが、一度上塗りの修繕が施されていることもあり、この度の修復では一度すべての膠を取って解体、そこから再度組み直し、色付けも一からやり直すという作業を行いました。

その際には、尊像頭部の中より審教阿闍梨が書かれた般若理趣経の写経が納めれていることがわかり、当時の人々の願いにも触れることができました。

この度、皆様のおかげ様を持ちまして、見事に美しい御姿でお戻りなられ、本日晴れて開眼法会を迎えたという運びです。

皆様にはぜひ、毎月21日9時からの大師縁日法会にご参拝いただき、新たに修復されたお大師さまの御姿を目の当たりにしていただければ幸いです。

長泉寺寺子屋文化講座vol.32のご報告

新型コロナ禍によりしばらく休講しておりました「寺子屋文化講座」を4月19日、講師に森熊男先生(岡大名誉教授・閑谷学校顕彰保存会評議員)をお招きし、「池田光政と熊沢蕃山~岡山藩初期の学風~」というテーマで開催しました。

なお、新型コロナの第4波が今月に入ってから拡大している状況もありましたので、定員を事前予約のみ先着25名と限定させていただき、参加者皆様には検温、マスク着用、消毒など感染防止策の徹底もお願いし、皆様のご協力あってこその開催となりました。

講師の”クマ先生”こと森熊男先生は、大学での教鞭のほか著書や論文の執筆、各種講演など、岡山の教育界に多大なる功績を残されている方であり、特に”儒学”の大家としてご存じの方も多いかと思います。先般には、山陽新聞社より『クマ先生と読む論語』を出版されたばかりで、新聞の紙面でもよくお目にかかる御方ですね。

さて、そんな森熊男先生の今回の講座は、岡山の教育のスタートとも言える”光政と蕃山による岡山藩初期の学風”についてのお話でした。歴史的な時間の推移に沿って、岡山藩における人づくり思想(朱子学を中心に)、また光政公と蕃山の出逢いから別れ、そして津田永忠を含めた三人だからこそ成し得た奇跡について、まるでクマ先生の身体にこの三人が宿っているかのような、そんな気持ちのこもったご講演となりました。ありがとうございました。

令和3年2月2日 星供養法会

2月2日、当山恒例「節分祭」は、新型コロナウイルス感染症のさらなる流行を鑑みまして、一般のご参拝をいただかない形(総代役員様のみ)で「星供養法会」を奉修し、檀信徒皆様、並びに節分祈願札をお申し込みいただいた方々の除災招福、福寿増長を祈念させていただきました。

併せまして、RNN人道援助宗教NGOネットワーク事務局長で、黒住教教主・黒住宗道様からの「節分の日に、宗教の違いを越えてコロナ禍終息を心ひとつに祈願しましょう」という呼びかけに賛同し、我が宗だけでなく、他派、他宗、他教の皆様とも広く力を合わせ、新型コロナ禍を人類が早期に克服できるようお祈り合わせさせていただきました。

※詳しくはRNN人道援助宗教NGOネットワークのホームページをご覧ください。

https://www.rnn.jp/

総代、役員様をはじめ、当法会の奉修に対してお力添え下さいましたすべての皆様に、心より御礼申し上げます。

令和3年 大般若法会

『大般若波羅蜜多経(以下、大般若経)』を転読し、新年の無事安泰を祈願する「大般若法会」を正月8日、本尊薬師如来の本年最初のご縁日に奉修しました。

般若空の教えを説く大般若経は、玄奘三蔵がインドから唐に持ち帰り、4年の歳月をかけて翻訳された六百巻におよぶ大経です。我が国では奈良時代から宮中や諸大寺院で同経が読まれ、国家安泰が祈られてきました。

当山では毎年正月8日に同法会を奉修し、檀信徒皆様の一年の安泰を祈願しております。今年は新型コロナウイルスの流行により、参拝者皆様には事前の体調確認やマスク着用などの感染防止対策を行っていただいた上での縮小開催となり、毎年恒例となっている余興やお接待も差し控えさせていただきました。

新年が、コロナ禍を克服する一年と成り、皆様が健やかで心豊かに過ごせますよう至心に祈念する次第です。

ご参集いただきました諸寺院様をはじめ、当山総代様、世話人様、ご協力頂きました全ての皆様には心より御礼申し上げます。