長泉寺杖心会「白須賀蔵法寺参拝の旅」

1月27日(土)、28日(日)の二日間、長泉寺杖心会で静岡県湖西市白須賀にある曹洞宗蔵法寺様への団参を行いました(参加22名)。

蔵法寺様とのご縁は、池田藩第二代藩主・池田綱政公の時代にさかのぼります。

綱政公が参勤交代で江戸へ出向かれた帰り、東海道白須賀宿でお休みになられていた夜、枕辺に観音菩薩が立たれ「われはこの地の観音なり。今から大急難あり。ただちに去るべし」とおっしゃったそうです。綱政公は慌てて宿を出発し、白須賀の町を抜けると大きな地響きとともに大地震が発生。白須賀の町は大津波に襲われました。日本災害史上最も甚大な被害をもたらした「宝永の大地震」がこれです(宝永4年・1707年)。

 

帰藩した綱政公は後楽園に慈眼堂を建立し、その本尊に「白須賀観音」を安置しました。その後、旭川の中州である後楽園では水害に見舞われることが多く管理が難しいことから三野の法界院に移されましたが、法界院でも火災被害が起こり、ご縁あって当山で今日祀られています。

この白須賀観音ですが、元は白須賀の潮見観音であり、蔵法寺様でお祀りされている観音様です。当山一行は、潮見観音が祀られる「潮見大悲殿」で般若心経、妙法蓮華経観世音菩薩普門品第二十五偈文をお唱えし、法楽を奉げました。

その後、おんやど白須賀を見学し、浜松市へ移動。「浜松市楽器博物館」、「浜松城」、「うなぎパイファクトリー」、「エアパーク浜松」を観光し、参加者皆様と楽しい時間を過ごすことが出来ました。

ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。

 

写真は、う巻きならぬ、「うなぎパイ巻き(クレープ)」です。さすが浜松!

寺子屋文化講座vol.15

1月20日(土)、長泉寺寺子屋文化講座vol.15を開催しました。

今回は、「お正月はどこから来るの?~岡山の正月行事~」と題し、岡山民俗学会の大倉寿仁先生にご講演をいただきました。

先生は、岡山各地の多くの正月行事をご紹介下さるとともに、それらの文化の意義についてご教示下さいました。

面白かったものの一つが「お餅つき」。

お餅つきはご近所や親類がなるべくたくさん集まってやるのが良いそうです。

なぜなら、お餅つきはみんなで「つきあう」ものだから。「付き合い」が大事なのはいつの時代も変わりませんよね。そして、ついたお餅は必ず最初に神様仏様にお供えをする。

「お正月はどこから来るの?」という演題でしたが、その答えはズバリ「感謝」じゃないかなと思いました。家族への感謝、周りの方々への感謝、ご先祖様への感謝、大自然への感謝・・・。

そういう様々な感謝の念があるからこそ、みんなでお正月をお祝いするのでしょうし、その文化を通じて、大切なものをしっかり大切にできる人間を地域で育んでいくことができる。あらためて、お正月文化の奥深さ、そしてその大切さを学ばせていただきました。

コンサート環15th 長泉寺合唱団Coro Naga(コーロ・ナーガ)が出演!

1月14日、午前中は毎年恒例の「とんど焼き」を奉修し、午後はいつも大変お世話になっている「近代日本音楽研究会」会長の佐々木英代先生が主宰する「コンサート環15th」がルネスホールで開催され、当方の合唱団Coro Naga(コーロ・ナーガ)が出演をさせていただきました。


300名ほどがご来場下さった初めてのルネスのステージにメンバーも少し緊張しながら、しかしこれまで時間をかけて練習を重ねてきた『アメイジンググレイス』、『翼をください』、『瑠璃色の地球』の3曲をしっかりとした歌声でお届けすることが出来ました。

コーロ・ナーガは「平和をうたおう」をテーマに、当方のお寺とご縁のある方々とともに2015年の秋に結成された合唱団です。
「ナーガ」とは仏教が誕生した古代インドのサンスクリット語で「竜」を意味します。わたしの名前から取った、とよく言われますが実はそうではありません。音楽を通じて、仏法を守る竜の如く、強くしなやかに平和を希求していこうという意味が込められています。また「ナーガ」には「竜のように長いもの」という意味もありまして、長泉寺の「長」にも結び付く名前なのでした。ちなみに「コーロ」は、「コーラス隊」の意味です。

声を出す、歌を歌うということ自体が健康につながったり精神的にも良かったりすることは言うまでもないのですが、特に年齢を重ねるごとにどうしても少なくなってしまう「緊張をする」、「人に観られる」ということが、モチベーションや若さを保つために大切です。なので、メンバーの方にはこれからもなるべく“緊張するステージ”に立っていただいて(笑)、その元気や若さを保ってもらえれば嬉しいなぁと思います。

長泉寺合唱団Coro Nagaは、毎月第1、2、4月曜日10時~12時に練習をしています(指導:佐々木英代先生・月謝2,500円)ので、ご興味のある方はお気軽にお問合せ下さい。


それにしても、佐々木先生はスゴイ!昨日のコンサートを通じて、あらためてその偉大さに感銘を受けました。

平成30年大般若経転読法会

あけましておめでとうございます。

さて、今年は戊戌年。わたくし実は年男でございます。そんなあたり年に、本堂大改修工事があたるなんて!住職として、今年一年、正に犬のように駆け回って頑張ろうと決意を新たにいたすお正月でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

さて、先日8日、当山本尊薬師如来の今年初めてのご縁日に、檀信徒皆様の弥栄を祈念する「大般若経転読法会」を奉修いたしました。

『大般若経』とは実に600巻から成る大経でございまして、三蔵法師玄奘がインド天竺から唐へ持ち帰ったお経だと伝えれています。そして、その翻訳期間中、唐が見事に隆盛し、これは大般若経の功徳広大なるが故に違いない!ということで、今日でも様々な節目、あるいはご祈祷等に読まれているわけです。特徴としては「転読」と呼ばれる作法を以っての読み方でして、これが迫力満点なのです。僧侶がみな大声をあげて、大般若経を開き、パラパラパラー!っと(写真のように)やるのです。

この転読、ご参拝の皆様はどのように感じられたのでしょう?

わたしは、というと、今年一年、がんばろう!というひじょうにポジティブな気持ちになるのでした。実に清々しく、こころスッキリ、晴々とした心地です。ありがとうございます。

またさらに、今年は清興として落語家の桂米紫さんに「新春落語」を御奉納いただき、お正月らしく楽しい時間を皆様とともに過ごすことができました。

どうかどうか、皆様には素晴らしい一年をお過ごし下さい。

わたしからも心より、皆様のご健康、ご多幸をご祈念申し上げます。本年もよろしくお願いします。

合掌

龍門拝

※当投稿で使用している写真は、写真家の加藤晋平さんが撮影して下さっているものです。