「池田綱政の文化的事績」 寺子屋文化講座vol.49

1月21日、就実大学の浅利尚民先生を講師にお迎えし、寺子屋文化講座vol.49を開催しました。

今回のテーマは「池田綱政」で、当山長泉寺の山号にその足跡が残る「薬園」、および「白須賀観音」についてのご講演いただきました。林原美術館へ長年勤務をされていた浅利先生は、綱政公自筆の文書や側近が残した資料等の調査を深められており、スライドでそれらを紹介しながら詳しく解説下さいました。

映像もあって大変わかりやすく、参加者皆さんも喜んでおられましたが、個人的にも伝承と史実との整合性をはかる上で、大変勉強になった次第です。ありがとうございました。

次回の寺子屋文化講座は、開講第50回ということで、神崎宣武先生を特別ゲストにお招きします。開催日時は、3月25日(火)19時~20時半、となっております。詳しくは追ってお知らせいたしますが、多くのご来場が予想されますし定員も限られますので、ご参加を希望される御方はお早めに当山までご連絡下さい。

阪神淡路大震災30周年忌 RNN慰霊祭

阪神淡路大震災より30年を迎える1月17日、早朝より人道援助宗教NGOネットワーク(RNN)で活動をともにする諸宗教の皆様が当山本堂へご参集され、同震災物故者を供養する慰霊祭を奉修されました。

発災時刻である5時46分、開式とともにRNN委員長の永宗幸信師(天台宗本性院住職)によるご先導で一同黙祷を捧げ、以降は当山僧衆による真言宗の作法に基づく法会を厳修。我々が「般若理趣経」を唱え奉る中、参拝者皆様にはお焼香をいただき、式の最後にはRNN事務局長の黒住宗道師(黒住教教主)がご挨拶をされました。

私としましては、当山本尊薬師如来をはじめ諸佛諸菩薩、諸天善神の御前にて、同震災で亡くなられた方々を悼み、その御霊安らかなれと弔い申し上げるとともに、被災者皆様が今日まで歩んでこられた道のりの切なく、険しきことを深く心に致しながら、皆様のこれからがどうか恙ないものとなりますよう至心にご祈念させていただきました。

宗旨宗派の異なる方々が集まった同慰霊祭でしたが、まさに心をひとつにしてご供養させていただけたのではないかと存じます。

なお、その様子はRSKイブニングニュース様にて報道いただいてますので、下記にリンクをご紹介させていただきます。

阪神・淡路大震災から30年 宗教・宗派をこえて犠牲者を悼む法要 平和への祈り込め【岡山】

令和7年 初薬師 大般若法会

1月8日(木)、新年恒例の「大般若法会」を奉修しました。

当法会は、大般若波羅蜜多経を転読し、檀信徒各位の一年の無事安泰を祈る法会です。ご縁のあるご寺院10ヶ寺にご助法賜り、力強くご祈念させていただきました。

清興では、お正月らしく「雅楽五声会」の皆様による奉納演奏もいただきました。

ご参拝いただきました皆様、お力添えいただきました皆様には厚く御礼申し上げます。

新年のご挨拶

新年あけましておめでとうございます。

本年は巳年でございます。

蛇といえば、苦手な人も多い一方で、古来より世界中で信仰されてきた存在です。

蛇は手足がなく、鱗をまとってはニョロニョロと動き、舌をペロペロする姿がどうも気持ち悪い、というのは我々人間、霊長類が進化の過程で持つようになった本能なのだそうですが、その畏怖心こそが蛇を聖なる存在とし、我が国においても「神の遣い」として信仰してきた大きな理由です。それはまた、「自然」というものに対して、その恵みを享受しつつも、ときにもたらされる天災への危機感であり、同時に人間の傲慢さに対する慎み、自制心とも言えるでしょう。

さて当山では、昨日の令和7年元旦17時30分より、昨年同日に起きた「令和6年能登半島地震」一周忌に当たり、犠牲物故者追悼の法要を奉修し、併せて被災者皆様の安寧と能登地方の早期復興を至心にお祈りさせていただきました。冒頭に「新年あけましておめでとうございます」と記したものの、能登の人々のことを想いますと、あまりめでたいという気持ちにはなれない本年の正月でございます。大切な方を亡くされた人々の悲しみ、発災から一年経っても不自由な暮らしを続けられている能登の多くの人々の努力を想い、ただただ手を合わせる次第です。被災者皆様を心より応援しております。

本年はまた、今月17日に「平成7年 阪神淡路大震災」より30周年忌、さらに6月29日には「昭和20年 岡山空襲」より80周年忌となります。いずれも当山にて(つい)(とう)()を奉修させていただく予定です。

また世界に目を向けてみますと、現在もウクライナや中東では武力衝突が続いており、悲しみは増えるばかりです。我が国が位置する東アジアも情勢不安が広がっています。

我が国自身も、物価高騰や長引く経済停滞のほか、コミュニティの衰退、人間関係の希薄化などによって、生きづらく、悲しい思いをする人々が増えているように感じております。

今、お寺に出来ることは何か?と様々に思いめぐらせながら、試行錯誤しながらの私ですが、何より一番は檀信徒各家各人をはじめ、地域の人々、お寺に関係されるすべての皆様と心通わせ、お寺が皆様の心のよりどころとなることが大切だと考えております。本年も様々にお寺行事を開催するほか、至心に檀務を勤めて参りたいと存じます。

来週1月8日には、当山本尊薬師如来の新年最初のご縁日ということで、毎年恒例の「大般若法会」を奉修しますので、ぜひ多くの方々にご参拝いただければ幸いです。

なお、祈祷札のお申込みは、準備の都合上、前日(1/7)までにお願いいたします。

令和7年正月8日 大般若法会の祈願札申し込みメールフォーム

最後になりましたが、どうか皆様が笑顔で心豊かな一年をお過ごしいただけるようお祈り申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。

本年もよろしくお願いいたします。

令和7年正月二日

龍門拝