3月8日本尊薬師如来縁日法会におきまして、新型コロナウイルス感染症による被害の早期終息を願い、本尊念呪供養を行いました。
当感染症により身体的被害を受けている方々には心よりお見舞いを申し上げますとともに、早期のご回復を至心にお祈り申し上げる次第です。
また、社会的、経済的な被害を受けている皆様には、その状況が早期に改善されますよう、さらにはこの影響、被害を最小限に留めようと懸命に努力されている方々の安寧も併せて祈願いたすところです。
情報も様々に混乱しており、不安な中に過ごされている方、ストレスを抱えられている方も多いかと思いますが、状況を出来る限り冷静にとらえ、過剰に怯えることなく、過剰にあなどることもなく、それぞれの環境に合わせて的確な判断を見出していくことが何より大切なことかと存じます。
私たちが住む日本という国は、過去にも多くの疫病流行がありましたが、その都度、真言宗祖弘法大師をはじめ、歴代先師が疫病鎮静を祈願しながら、私たちの先祖はそれらの困難を乗り越えてきました。
大乗仏教では「六波羅蜜」という仏教徒が大切にするべき「行い」を規定しています。このような状況であるからこそ、今まさに六波羅蜜が大切なのではないかと思います。
1、布施・・・現代でいうボランティアに相当するかと思います。自分のことだけではなく、周りも大切に、施しに努めましょう。
2、持戒・・・法律はもちろんですが、社会のルール、秩序を守る。自分を律し、要らぬことに流されないように心がけましょう。
3、忍辱・・・便利な世の中ですが、我慢はとても大切なことです。
4、精進・・・何事にも努力を欠かしてはいけません。怠らぬよう、努めましょう。
5、禅定・・・冷静であるように努めましょう。
6、智慧・・・それぞれに具わる専門性、知識、情報の力を発揮しましょう。
皆様それぞれに、各種各様の困難があろうかと思いますが、心と身体をしっかりと保ち、乗り越えていっていただければと思います。
なお、当山でも今月の行事の中で、可能なものは中止、あるいは延期させていただいています。ご理解のほど、よろしくお願いいたします。