結縁灌頂

10月22日、23日と二日間にわたり、総本山仁和寺様及び岡山県内各御寺院様方々のご協力のもと、長泉寺「結縁灌頂」が開壇され、無事に結願を迎えることができました。

受者52名の方々が仏様との御縁を結ばれ、晴れて真の仏弟子となられましたことを心から嬉しく思います。

「結縁灌頂」は、弘法大師様が唐へ渡られ、恵果和尚より授けられた真言密教最高の秘儀であり、これまでは本山級の大寺院でないとできないものだとされていました。しかし近年、求道される人々と仏様との御縁を結ぶことのできる灌頂の儀は、たとえ地方であろうともやはり開壇されるべきだという声が強まり、特に総本山仁和寺第四十九世門跡・南揚道猊下(大阪・慈眼院)は、御室派末寺院に結縁灌頂開壇を広く呼びかけられていました。

この度、宗内の多くの諸先輩方々によるご指導ご協力、檀信徒方々のご理解によって、当山のような末寺でも開催することができました。

手前味噌ながら、歴史的なことだと考えています。

関係者の皆様には、衷心より御礼申し上げます。

願わくば、この御縁によって、皆様が益々お幸せになられますように、また、そのことによって御先祖過去精霊にご回向をし、さらには、より良い未来に寄与していけましたならば、法悦至極に存じます。

なお、残念ながら当日の様子はネット上ではお見せすることはできません。ご了承ください。

大僧正堀智範猊下ご遷化

8月23日、総本山仁和寺第47世門跡、真言宗御室派元管長、真言宗御室派大本山天野山金剛寺http://amanosan-kongoji.jp/第77世座主・大僧正堀智範猊下が満95歳にて御遷化なされました。

 

堀智範猊下

※写真は2008年10月、長泉寺本堂で撮ったものです。

堀智範猊下は、平成12年「長泉寺中興40周年記念大法要」、及び、平成21年5月「長泉寺開山500周年記念大法要」の大阿、また、私の結婚式の御戒師をお勤めいただき、実にお世話になったお方です。

実は、長泉寺と天野山金剛寺には法縁があります。

長泉寺第20世住職・光俊和尚が、紀州田辺の高山寺の養子に入り、当時天野山金剛寺の座主であられた金剛流ご詠歌の流祖・曽我部俊雄和尚の御遷化を受け、天野山金剛寺の後を継がれた経緯があります。

なので、光俊和尚のお墓も、曽我部俊雄和尚のお墓とともに、天野山金剛寺の境内にあるんです。

そういったことで、天野山金剛寺には度々お参りに行っていましたが、もう堀猊下のやさしい笑顔には会えないのだと思うと、さみしい限りです。

堀猊下からいただいた数々の恩徳に感謝するとともに、倍増御法楽を謹んでご祈念申し上げます。

合掌

2014年度お施餓鬼行

8月24日、お盆行事の結願「お施餓鬼」にて、参加者60名とともに鳥取県鳥取市砂の浦富海岸を訪れ、檀信徒各家精霊に回向しました。

せがき@日本海

せがき@日本海

当日は、大雨に見舞われ、急遽浦富海岸遊覧船の船上で「せがき供養法要」を行うことになるなどトラブルもありましたが、何とか無事にお参りができました。

また、砂の美術館の見学や、ちくわの里「ちむら」でお買い物をするなど、参加者みんなで楽しみながら、良い旅となりました。

ご参加、ご協力いただきました皆様、ありがとうございました。

広島市土砂災害 緊急支援募金

この度の大雨による「広島市土砂災害」において被災されましたすべての方々に衷心よりお見舞いを申し上げますとともに、亡くなられた方々のご冥福を至心にご祈念申し上げる次第です。

また、自衛隊、消防、警察の方々をはじめ、多くのボランティアの方々による支援活動が行われておりますが、皆様に深く敬意とご慰労を申し上げますとともに、そのご安全をお祈り申し上げます。

被災されました方々のご安寧のために、少しでも役立ちたいと存じ上げ、長泉寺ボランティア基金会は、広島市土砂災害被災者緊急救援募金活動を開始しました。

広島土砂災害募金箱

寺務所前に募金箱を設置しておりますので、皆様方にはご支援賜りますようよろしくお願いします。

なお、いただいた浄財は、RNN人道援助宗教NGOネットワークを通じて、「総社市・AMDA合同プロジェクト 広島市土砂災害被災者緊急救援活動」に寄与させていただきます。

 

住職 拝

第15回平和の鐘を鳴らそう

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8月15日、岡山ユネスコ協会(代表・武泰稔)は、長泉寺にて「第15回平和の鐘を鳴らそう」を開催しました。

平和の鐘を鳴らそう運動は、2000年(ユネスコが提唱し国連が定めた「平和の文化国際年」)より、戦争や争いがない21世紀を作っていく為に私たち一人ひとりが出来る事から行動していくことをテーマに続けられています。

今年は、岡山空襲で被災された人見辰江さん(84歳)のお話とともに、地球のこども楽団(詩叶純子)さんの平和への祈りの音楽を聴かせていただきました。

 

世界には、イスラエルによるガザ侵攻をはじめ、現在でも40以上の武力紛争があり、その地域に住む人々は23億人以上といわれています。世界の人口が70億人ですから、3人に1人は紛争状態に身を置かれていることになります。

戦争とは別に、日本では毎年約3万人の方々が自死されております。これは警察庁が把握している数で、実際にはもっと多いとも言われており、極めて深刻な状況です。

 

そういった中で、安倍首相は「積極的平和主義」というテーマを掲げました。そして、武器輸出三原則を緩和し、平和憲法を改め、集団的自衛権を認めようとしています。「決して日本が戦争をすることはない」とおっしゃっておられますが、長崎での平和集会8/9では、被爆者の方から強く非難をあびました。

平和学において、「積極的平和主義」の本来の意味は、国家間の戦争や地域紛争がない状態に加え、社会における貧困や差別などがない状況を目指すことを言います。つまり、戦争は、貧困や差別がある状態から発生することから、その原因となる様々な要素を無くしていく努力を「積極的平和主義」と呼ぶのです。

仏教ではこのことを六道輪廻からの「解脱」と言います。

国連が提唱したユネスコ憲章には「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければいけない」と書かれてあります。

2014平和の鐘集合写真

祈りと行動がともなうように。

理念と現実が離れないように。

弘法大師が説かれた「三密(身・口・意)加持」の大事がそこにあります。

第6回脱原発結集

第6回脱原発結集

7月22日、脱原発をめざす仏教者ネットワーク(事務局・長泉寺)は、臨済宗妙心寺派蔭凉寺様(北区中央町)にて、第6回脱原発結集を開催しました。

芦原康江さん

第1部学習会では、「島根原発1、2号機差止訴訟」原告団長であり、松江市議会議員の芦原康江さんをお招きし、島根原発が松江市鹿島町に誘致された経緯(中国電力は、これまでに総額60億円以上の寄付金を松江市に納めており、現在も年間3000万円を同市に納入)と、同原発をめぐる諸問題(老朽化の激しい1号機、プルサーマル実施が予定されている2号機、新たに見つかった活断層、事故が起きた時の避難の不可能性など)について詳しくお話をいただきました。

島根原発が福島並みの事故を起こした場合、岡山県は強烈な放射能汚染を強いられるだけでなく、101,000人の「移住者」(帰郷は実質不可能なので「避難者」ではない)を受け入れることが行政間で決まっています。島根原発の問題は、決して島根県の人たちだけの問題ではありません。

芦原さんは、「山陽側の人たちが使う大量の電気のために、山陰の人たちが危険な目に遭っていることを知ってほしい」というメッセージとともに、「岡山の人にも島根原発廃炉に向けて力を貸して下さい」と訴えられました。

なお、上記学習会の様子が、IWJチャンネル岡山にて視聴できます。http://iwj.co.jp/wj/open/archives/155482

 

第6回脱原発結集①

15名が参加された第2部脱原発行進は、いつものように蔭凉寺様から旧2号線大供交差点を経由し、市役所通りを岡山駅まで「原発は仏教に反す」と描かれた幟旗を掲げて行進。ビックカメラ前では、街頭スピーチの実施および、当ネットワークのパンフレットを通行者の方々に配布し、全日本仏教会宣言文「原子力によらない生き方を求めて」のアピール、および、原発が仏教に反していることを訴えて参りました。

次回「第7回脱原発結集(9/16)」は、No Nukes Asia Forum Japan事務局長の佐藤大介さんをお招きし、「日本の原発輸出とアジアの反原発運動」についてお話をうかがいます。ぜひとも、多くのご参加を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

第2回奈良・南都古代寺院巡礼

飛鳥寺

第2回(7/19~20)は、蘇我馬子が建てたと言われる飛鳥寺から。

飛鳥大仏

飛鳥大仏の御前にてみんなで勤行。

飛鳥の説明

今回も、(公財)元興寺文化財研究所の専門家の方がご同行くださり、説明をいただきました。

高松塚古墳

高松塚古墳壁画館の拝観。

久米寺多宝塔跡

弘法大師空海様が『大日経』を発見し、唐への留学を決意した場所。久米寺多宝塔の礎石。

長谷寺登廊

二日目は、真言宗豊山派総本山長谷寺から。

長谷寺境内

景色が綺麗な境内。

長谷寺

本堂前にて般若心経をみんなでお唱えしました。

室生寺参道jpg

続いて、女人高野室生寺。

室生寺金堂

立派な伽藍が続きます。

室生寺五重塔

そして五重塔。美しすぎる・・・。

 

以上、とても見ごたえのある奈良の旅でした!(34名参加)

次回は、9/27~28。参拝するところは、西大寺、唐招提寺、薬師寺、大安寺、平城京跡です。

まだまだ参加申し込み受け付けておりますので、ぜひぜひご参加ください。

 

夏まつり

夏祭り1

7月17日、白須賀観音護摩供養夏まつりが奉修されました。

たくさんの歌や踊りに、世界各国の屋台!

夏祭り3

今年はいつもよりも子ども達が多く、とってもにぎやかなひとときとなりましたよ。

白須賀観音

奥に鎮座されておりますのが、白須賀千手千眼観世音菩薩様です。

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皆様どうか、この暑い夏もご無事でお過ごしください。

関係者の皆様、ありがとうございました。

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白須賀観音護摩供養法会願文

 謹み敬って、真言教主大日如来、両部界会諸尊聖衆、殊に別しては、蓮華部中、白須賀千手千眼観世音菩薩をはじめ密教伝来三国相承八大高祖、総じては盡空法界一切の三宝に白して言さく

夫れ惟みるに当山有縁白須賀千手千眼観世音菩薩とは、天災、地変より我ら衆生を救い給える霊験灼な菩薩なり。さしづめ一七〇七年、宝永四年東海道の富士山大震災の際、江戸参勤の途次、遠州白須賀で岡山池田藩第四代藩主綱政公の枕辺に化現し、津波の難から藩公を救い導いたるはまさにこの千手観音なり。公は、その尊き功徳後世に伝えんが為、また地震津波による無数の犠牲者の菩提を祈らんが為、備前後楽園慈眼堂にこの観音菩薩像を安置し、その御名を「白須賀観音」と名付けたり。法縁ありて、今日その尊像をここ当山にて祀る

就いて本日の法会は、護持信心の功徳主当山檀信徒各家、同じく本日参集の善男子、善女人の除災招福、家内安全、息災延命、並びに東日本大震災受難死者精霊出離生死頓証菩提、並びに天長地久、即身成仏、密厳国土、風雨順時、五穀富饒、万邦協和、諸人快楽を至心に発願し、本尊聖者に法楽を捧げ奉るものなり。恭しく若干の浄侶を屈請して一座の法筵を開き、真言秘密観音護摩法を修し奉る

仰いで乞う。この護摩火焔によって、煩悩の塵垢を焼き尽くし、ここに集う人らの心豊かな歌や踊り、またその祈りの心によって、本尊白須賀観音所縁の大慈大悲の仏徳が遍満し、この世、密厳浄土ならしめんことを

南無白須賀観世音菩薩

南無大師遍照金剛

惟時平成二十六年七月十七日

護持法主 敬白

 

 

奉祝 弘法大師御誕生 「青葉まつり」

青葉まつり

6月15日、真言宗岡山市内結衆寺院で構成される「岡山市弘法大師降誕会」主催の「青葉まつり」が長泉寺本堂で奉修され、大勢の方々とともに、弘法大師様のご誕生をお祝いしました。

実はこの「青葉まつり」、今では高野山ほか全国で開催されていますが、発祥は当地岡山にあります。真言宗祖風宣揚会(京都・東寺)により明治30年代に発案され、岡山の後楽園で開催されたことがその始まりだと言われています。その後、真言宗岡山市内結衆寺院(岡山市弘法大師降誕会)により大正7年より毎年欠かさず開催されており、その歴史的意義は大変深いものがあります。

青葉まつりは、毎年市内の各真言宗寺院本堂を持ち回りで会場としており、経費は托鉢にて賄われております。また、書の達人でもあられた空海様にちなんで、子どもたちの習字展も同時に開催しており、老若男女の信仰を集めます。

 

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法要では、稚児大師尊像に甘茶をかけ、みんなで「弘法大師和讃」を奉読するほか、ご詠歌会の皆さんは『誕生和讃』、長泉寺ゴスペラーズの皆さんは『さきがけ(大師の誕生を祝う曲)』を奉納。

本山敬城師

今年の法話には、総本山仁和寺の布教師でもあられる、児島吉祥院ご住職・本山敬城師にお越しいただき、とても楽しいお話を頂戴しました。

二胡演奏

余興では、中国伝統芸能、二胡の演奏。

くじ引き

最後に、参加者みんなでくじ引きを行い、大盛り上がりで幕を閉じました。

 

ご協賛、ご協力いただいた皆様には心より御礼申し上げます。

第5回 脱原発結集 「大飯原発運転差止訴訟」原告・中嶌哲演師の講演

5月29日(木)、臨済宗妙心寺派蔭凉寺様(北区中央町)にて表題の催しが開かれました。

第5回脱原発結集

わたしが事務局を仰せつかっています「脱原発をめざす仏教者ネットワーク岡山」主催の「脱原発結集」も5回目を数えます。

今回は、去る5月21日に福井地裁で行われた「大飯原発運転差止訴訟」で、被告の関西電力から見事に勝訴判決を勝ち取った原告団の一人、中嶌哲演師(福井県小浜市・真言宗御室派明通寺住職)をお招きし、ご講演をいただきました。

中嶌哲演師

講演の様子は、IWJチャンネル(下記URL)でご覧いただけますので、ぜひご視聴ください。

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/143600

 

ここでも少しだけお話の内容をご紹介。

なによりもまず「判決要旨」(下記URL参照;「福井から原発をとめる裁判の会」HPより)

http://adieunpp.com/download&lnk/140521judgesumm.pdf

特に3項の(1)

「原子力発電の稼働は法的には電気を生み出すための一手段たる経済活動の自由(憲法22条1項)に属するものであって、憲法上は人格権(憲法13条、25条)の中核部分よりも劣位に置かれるべきものである」

そして、9項

「被告(関西電力)は、本件原発の稼働が電力供給の安定性、コストの低減につながると主張するが、当裁判所は、極めて多数の人の生存そのものにかかわる権利と電気代の高い低いの問題等とを並べて論じるような議論に加わったり、その議論の当否を判断すること自体、法的には許されないことであると考えている。このコストの問題に関連して国富の流出や喪失の議論があるが、たとえ本件原発の運転停止によって多額の貿易赤字が出るとしても、これを国富の流出や喪失というべきではなく、豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失であると当裁判所は考えている。

また、被告は、原子力発電所の稼働がCO2排出削減に資するもので環境面で優れている旨主張するが、原子力発電所でひとたび深刻事故が起こった場合の環境汚染はすさまじいものであって、福島原発事故は我が国始まって以来最大の公害、環境汚染であることに照らすと、環境問題を原子力発電所の運転継続の根拠とすることは甚だしい筋違いである。」

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第2部では、蔭凉寺様から岡山駅まで行進をし、駅前にてビラ配りとスピーチを行いました。

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三世諸仏を拝む仏教者である以上、未来に責任の持てない原発を許すわけにはいかない!と、これまで地道に活動を続けてきましたが、もっともっと盛り上がって行く必要があります。読者の方の中で「我こそは!」と思われる方は、ぜひぜひご協力くださいますようお願いします。

できれば賛同者としてご登録ください。⇒086-223-7450(事務局・長泉寺内)までご一報を※「仏教者」とは僧侶だけでなく一般在家信者の方も含みます。

 

脱原発をめざす仏教者ネットワーク岡山

呼びかけ人

漆間宣隆 浄土宗/浄土院住職

藤井 晃 真宗大谷派/本琳寺住職

原田正道 臨済宗妙心寺派/曹源寺住職

篠原真祐 臨済宗妙心寺派/蔭凉寺住職

八木大慈 日蓮宗/蓮昌寺住職

宮本龍門 真言宗御室派/長泉寺住職